★其の弐 ブリ(鰤)



★旬

「初ブリやほのかに白き大江山」という俳句もあるように、

また「寒づり」という言葉もあり、寒の内が一番うまい。

但しハマチは夏。

★語源、諸説あって

@「あぶら多き魚なり、あぶらの上を略す」という見原益軒の

  意見から「ブリ」と呼んだこと

A 漢字からは「老魚」という意味がある「年の径(ふ)りたる魚」

  の「ふり」が「ブリ」になった。

B ブリは利口で網に掛けるのが難しいから
  
  「師の魚」と呼んだ。

C 12月(師走)によく食べるところから鰤になった

  等々……

★スズキ目アジ科

世界に15種、日本近海には6種いると言われている。

三宅島でよく釣れるヒラマサ、カンパチなどの高級魚はブリ属の仲間。

ブリはスピードを出す為に背ビレのつけ根はややくぼみ、

その中へヒレを格納して泳ぐ。

尾柄の力は強く、ひと降りで5〜10m、時速20Km〜40Kmのスピードを出す。

★キブリ

頭部が大きく、体はやせていて、側線がきわ立っている。

九州など南海域にすむ瀬つきのブリ。

回遊する一般のブリはアオブリ(頭部が小さく、肉付きがいい)と呼ばれている。

★出世魚

・成長するにつれて呼び名が変わる。出世魚として縁起の良い魚

 ツバス(15cm)→ハマチ(40cm)→メジロ(60cm)→ブリ(100cm)

・1年で30cm程度までは大きくなるが、

 2年で50cm、3年で60cm、4年で70cmまでしか大きくならず

 「ブリ」と呼ばれるまでには5年かかる。

※但し養殖ものは、もっと成長が早い。

★養殖ブリ

1970年に瀬戸内海でスタートした。

これをきっかけに養殖ブリの呼び名が全国的に関西語のハマチになった。

現在、養殖物15万トン、天然物4〜5万トンの出荷。

★ブリにまつわる小話

・ブリ起こし 11月下旬になると、富山湾ではきまって雷が鳴り、

       海が荒れてくる。地元の人達は、この雷を「ブリ起こし」
       
       と呼び、これがブリ漁の幕開けとなる。

・ブリ騒動  寛永年間(江戸時代)、丹波福知山藩城主稲葉紀通が

       ブリを所望し、丹後宮津藩へ使者がとんだ。

       発注を受けた宮津藩が送ったブリは「お頭」がない不良品であった。

       怒った紀通は「このブリは将軍への献上用である」とウソを吹き込んだ

       使者を再度宮津藩へたてた為、宮津藩がわは、あわてて

       ブリを送った責任者を手討にしたのであるが、このいざこざが
    
       幕府に知れるところになり、紀通は切腹させられてしまった。

★ブリ文化圏とサケ文化圏

糸魚川−静岡フォッサマグナで日本が二つに分かれているのは

周知のとおりだが、このフォッサマグナは魚文化をも二つに分けている。

フォッサマグナ以東では正月に新巻鮭を食べるところが多いが、

フォッサマグナ以西では、寒ブリで正月を迎える家が多い。

なお年末のブリを京都の魚屋では、頭を上にして並べるが

東京では頭を左にして横に並べるのが一般的。